エレキット社製 TU-879 故障発生

エレキットのTU-879(6L6GC シングルアンプ)を使用し始めておおよそ一週間が過ぎようとしていました。トラブルもなく、毎日楽しんでいたのですが、ある日突然やってきました。
いつものようにCDを聴いていると「あれ? 左チャンネルから音が出ていない…、どうしたんだろう」と思いTU-879をみると、なんと6L6GCが管内がグロー放電を起こしているではありませんか、放電もエスカレートし「バチバチッ!!」とスパークし始めたので、慌てて電源SWをOFFにしましたが、その時既にカソード抵抗が赤熱していました。
早速、イーケイジャパン(株)にメールで連絡をとり、補修用のパーツを送っていただけることになりました。とても素早い対応をしていただけて、大変感謝をしています。アフターサービスの行き届いた会社の製品は安心して使用することができますね。
このページでは、その修理のレポートを書きたいと思います。

スパークを起こしているLchの6L6GC
今まさにスパークしている左チャンネルの6L6GC。真空管が管内スパークを起こしたのは推測ですが真空が保たれなくなって空気が入ったためだと思います。
不良になった6L6GC
放電で不良になった6L6GC。空気が入ったためゲッターが無くなりかけています。急激に空気が沢山入ったのではなさそうです。
正常な6L6GCと不良の6L6GC
右側の正常な6L6GCとスパークを起こした左の6L6GC。すこしだけゲッターが残っているのがわかります。
不良になったカソード抵抗とバイパスコンデンサ
6L6GCが管内でスパークしたため、プレート電流も大量にながれたのでしょう、カソード抵抗R13(330Ω3W)が赤熱し、不良になっていました。カソード抵抗のバイパスコンデンサは大丈夫だと思っていたのですが、やや膨らんでいます。耐圧以上の電圧が掛かったためと思われます。
外した抵抗、コンデンサ、FUSE
真空管を全部抜いて電源を入れてみましたが、高圧が出てきませんでした。リップル除去用のFETが死んでしまったかなと思ったのですが、高圧側のFUSE1(0.3A)が切れていることがわかり、予備のFUSEに交換し電源を入れると高圧が正常に出ることがわかりました。これだけ焼けた抵抗ですが、テスターで測定すると正常に330Ωあるのです、タフですね。
焼けた基板
カソード抵抗が付いていたところの基板です。熱で焼けているのがわかります。プリント面もパターンの接着が剥がれ浮いていました。
送られて来たパーツ
送られて来た補修用パーツです。6L6GC×1本、FUSE(0.3A)×1本、330Ω(3W)×1本、100μF(50V)×1本です。素早く対応をしてくださるイーケイジャパン(株)のアフターサポートは素晴らしい。
送られて来た正常な6L6GC
箱からだした6L6GC。送ってくださる前に正常性の検査をしてくださっています。
正常な部品を取り付けた
送られて来た抵抗とコンデンサを付けました。でも、カソード抵抗はパターンが浮いているので、そのままでは不安がのこります。
浮いたパターンを強化して半田付け
パターンが浮いていたためそのまま抵抗の半田付けをしても強度が得られないと判断しました。すこしパターンのレジストを剥がしその部分にリード線を這わせ半田付けをしました。
正常にもどったTU-879
正常に戻ったTU-879。電圧を測定してほぼ10%以内の誤差であることを確認して真空管を差し込んで電源ON。音も正常に出ました。
末筆になりますが、迅速に対応をしてくださいましたイーケイジャパンのサポートの方に御礼を申し上げます。