19AQ5単管ヘッドフォンアンプの初段は入力トランスによるドライブ回路になっていますが、ここをOPAMPに置き換えてみました。OPAMPにすることでOPAMPのキャラクターが出てしまう可能性もあります。でも、実験です。
OPAMPの回路はごくありふれた非反転増幅回路です。10KΩの負帰還抵抗に対して増幅度を決定する抵抗は3.6KΩとし約4倍のゲインとしてみました。回路図は後日掲載しますが、OPAMPにするには±15Vの電源(単電源でも可能なOPAMPもありますが)が必要です。
±15Vは18Vのヒータ電源捲線を両波倍電圧整流して中点を0Vとし三端子レギュレータの「7815」と「7915」を使い安定化して得るようにしました。
OPAMPは8PINタイプの2回路入りが交換聴き比べできるように8PINのICソケットを付けました。これにより真空管を交換するような手軽さでOPAMPを交換して楽しむことができます。
手元に持っている2回路8PINタイプのOPAMPはBURR-BROWNの「OPA2134」と、テキサス・インスツルメンツの「TL072」、JRCの「4580」の3種類です。
OPAMP化して感じたことは、まずは低域がズバっと出るようになり、とても驚きです。特に6AQ5系の球の時には、豊かな低域を再現してくれます。これは3種類のどのOPAMPでも同じでしたから、個別のOPAMPのキャラクターというよりも入力トランスからOPAMPにしたことによる変化と言えると思います。
聴き比べてみるとBURR-BROWNの「OPA2134」は癖のない音域を超低雑音で増幅してくれます。しかし「TL072」や「4580」であったとしても何ら癖のある音を出しているわけではなく、出力段の真空管を変えることによる音の変化が大きく感じられます。
私としては入力トランスの音も癖のない聴きやすい音であると思いますが、OPAMPにしても癖のない聴きやすい音であると思えました。
CDPやiPodなどの出力段はOPAMPであると思いますし、私がリビングのシステムで使用しているQUADのプリアンプ「44」に至ってはOPAMPのかたまりです。
OPAMP化するには±電源の用意、増幅度の決定など面倒なことがありますので、これを推奨するつもりはありません。あくまでも実験として楽しみました。暫くは初段をOPAMPのままで聴いていきたいと思います。
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